レッドウィング 革のひび割れを紙やすりで修復と補色

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メンテナンス
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丸洗いして3回履きましたが、履き心地はよく、革の状態は丸洗い前に比べて、かなり改善されました。

丸洗い前

丸洗い後

うれしい発見が1つひび割れだと思っていたものが、 古いクリームやワックスが固まったものだということがわかりました。
こうなってくると、紙やすりを使って、ひび割れの修復をしたい。
ついでに、色抜けもすごかったので靴クリームを使って捕色しよう
今回は、ひび割れの修復と 靴クリームで補色 の記事です。
こんな人に見てもらいたい。
・ 革のひび割れで悩んでいる。
・紙やすりを使ったひび割れ修復に興味があるが、試すには躊躇してしまう。
・靴クリームでの補色をどうしようか悩んでいる。
・色抜けた古くなったブーツのメンテナンスに興味がある。
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ひび割れの現状

まず、ひび割れの現在の状況について、画像で説明します。
ピンクで囲んだ部分がヒビ割れの箇所です。
青色の部分がひどい状態で、浅いひび割れ深いひび割れが混在。
かなり履きこんで酷使したこと、無茶なメンテナンスをしていたことが原因です。
ピンクの箇所は、靴ひもをしっかり結ばずに履いたり、サイズが大きすぎるものを履いていると、ひび割れが発生しやすいです
私は1時期、靴ひもをしっかり結ばずに履いていたので、それが原因です。(居酒屋での着脱がめんどうくさいんですよね)

ひび割れの修復の流れ

まず、ひび割れ修復の流れを簡単な図で表します。

こんな感じで、革が破れている状態。

やすりで削って、ひび割れをなくす。

図に書いている通り、深いひび割れの修復はリスクが大きいです。プロに相談しましょう。

ひび割れ修復のメリット・デメリット

ひび割れを修復することのメリットとデメリットをお伝えします。

メリット

・ひび割れが目立たなくなる

・汚れがたまりにくくなる

デメリット

・やすりで削るため、銀面がはがれてしまう。

・銀面はがれてしまうと、雰囲気が変わる。

・革を削り取るため、やりすぎると革が薄くなり、ブーツの寿命を縮める。

銀面とは

銀面とは簡単にいってしまえば鞣した(なめした)の表皮にあたる部分のことです。 その表面は動物の肌のキメの細やかさ、毛穴の大きさ、形状などによりさまざまな表情(銀面模様)を映し出します。
銀面は革の表皮です。
紙やすりで削らなくても、ぶつけたり擦ったりすることで、はがれてしまいます。
銀面がはがれた箇所に靴クリームをぬると、はがれていない場所に比べて、黒く変色します(茶系のブーツの場合)

クリーム塗りたて。黒く変色している部分(モックトウ部分全体)は銀面がはがれている

ちなみに私の875のモックトウ部分は、ほぼ全て銀面がはがれている。
ワークブーツの場合、銀面がはがれていることも、経年変化の1つという考え方をします。
あまり神経質に考える必要はないかもしれません。

8年以上経過している9870.つま先部分は、完全に銀面ははがれ、茶芯がでている

ひび割れを修復していきます

修復に用意するもの

用意するもの 用 途
紙やすり ♯100 荒く全体を削る ひび割れ専用
紙やすり ♯600 削った表面を整える
紙やすり ♯1200 削った表面を、細かく整える
馬毛ブラシ 削ったゴミやほこりをはらう 通常のお手入れ道具
Mモウブレイ ステインリムーバー 汚れ落とし
ウェス2枚 汚れ落とし。余分なクリームをふき取る
靴クリーム(色つき) 補色。栄養補給。
豚毛ブラシ クリームを浸透させる
山羊毛ブラシ(もしくは、ストッキング) 磨き専用
紙やすりについては、粗目(100番前後)・細目(500番前後)・超細目(1000番以上)の3種類を購入しておくと良いでしょう。
ちなみに紙やすり以外は、普段の靴磨き道具になります。
私が今回、ひび割れの修復のために購入したものは、紙やすりのみになります。
一応リンクを貼っておきますが、ホームセンターで3種類買っても200円少々で購入できたので、ホームセンターで購入するほうがおススメです

実践

それでは実践です。
青色で囲んだ部分を修復していきます。
深いヒビもあるので、すべての修復は難しいと思いますが、
全体的なひび割れの見た目を軽減することを目標にします。

紙やすりで削る

紙やすりを使用する順番は、荒いものから順番に、細かいものを使用していきます。
・粗目(100番前後)で、ひび割れが目立たなくなるまで削る。
・細目・超細目(500前後・1000番以上)で表面を整えていく。
まず、100番台から使用します。
100番台でヒビが目立たなくなるまで削らなければならないので、思い切っていきましょう。
ただし、銀面ごと削り取るため、ひび割れ以外の箇所は削らないように注意しましょう。
(私の875の場合は、すでに銀面がはがれ、ヒビも無数に入っていることから、全体的にやすりで削っています)
靴の内側に手を突っ込んで、内側からひび割れ部分を押して、シワを伸ばしてやると、削りやすいです。

削る前

削った後。削った表面はザラザラ。色がすごいので、初めは焦る。でも、すぐ慣れる。

次に、ザラザラになっている表面をならすため、 ♯600で削る。
ある程度ならすことができると、今度は1200番で、さらに表面を整える。

1200番で表面を整えた。さわると、表面はツルツル。

大きなひび割れは残ったが、全体的な見た目は良くなりそう。

ブラッシング

馬毛ブラシで、紙やすりで削った削りカスをはらっていきます。
レッドウィング純正馬毛ブラシの記事があるので、よければご覧ください)
全体をさっとはらってしまえばOKです。

リムーバーで汚れ落とし

Mモウブレイのステインリムーバーをウェスにとり、ひび割れに入り込んでとれなかった汚れを落とします

けっこうとれた

クリームで補色していく

紙やすりで削った部分と、サドルソープで丸洗いした時の色抜け部分を捕色していきます。
使用するのは、サフィールノワール クレム1925を使用(バーガンディとエルメスレッド)
※ちゃんと捕色する場合は、アドカラーを購入して、筆などできれいにぬってやるのが良いそうです。
しかし、アドカラーを使用した出来上がりをネットで検索してみると、私が作業した場合、どことなく不自然な仕上がりになりそうなのでやめました。
普通に靴クリームで補色するほうが、今まで履いてきた風合いも損なわれないかな、と。
使用する色について

現状の色・雰囲気を変えたくない場合 : ブーツよりも薄い色を選ぶ(無色・薄茶)

現状から雰囲気を変えたい場合  : ブーツよりも濃い色を選ぶ(紫・こげ茶・緑・紺・黒)

※ヴィンテージ風にしたい場合は、数段濃い色を使用してやると良いです。

また、緑や紺などを使用しても全体が緑や紺になるわけではありません光の加減でうっすらと緑や紺が見え隠れする程度なので、劇的に変化するわけではありません。

 

では、捕色していきます。

今回はブログ用に、片足ずつ、補色の色を変えています。

ちなみに、オロイジナルレザーを捕食する場合、

バーガンディ 濃くなる

エルメスレッド あまり濃さは変わらない。

左足をバーガンディ   右足をエルメスレッド

やり方は、靴磨きと同じ要領です。私の場合は、指で塗っていきます。
クリームを塗った後は、豚毛ブラシでブラッシング

茶系クリーム専用のブラシ。小さくて使い勝手よし。

ウェスで拭き取ります。
何度かふいていると、ウェスに色移りしなくなります。それまでやりましょう。
山羊毛ブラシでブラッシング。
仕上げ磨きです。

完成

ひび割れについて

修復前

修復後

修復後 ひび割れはほとんどなくなった

修復後 まだ深いひび割れは残っている

ひび割れは、深いひび割れがあったこと、また私がビビッて削り切れなかったこともあり、完全には取り除けませんでした。
しかし、以前と比べると見た目は改善されたように思います。
革を削るということで、革の厚みが急激に薄くならないかと心配していましたが、触ったり、履いた感覚では特に変わりなしでした。良かった。

補色について

捕色については、銀面がはがれている場所のほうが、クリームの色の影響を受けやすい。
少し濃い色で捕食した場合
色抜けしていない箇所については、少し濃くなる。
色抜けした箇所については、濃くなり、黒っぽくなる。
ひび割れ修復のため、削った個所については、靴クリームの色の影響を受けやすい。
特に、今回削ったモックトウ部分のバーガンディをぬったほうは、光加減によっては紫っぽく見えます。

腰革の色ぬけ 補色により改善。 バーガンディのほうが以前より濃い仕上がりになる。

手前 モックトウ部分、バーガンディで補色。紫っぽく見える。  奥 エルメスレッドは、光加減で少し赤っぽく見える。濃淡でいうと、捕色前とあまり変わらない。

まとめ

・紙やすり(サンドペーパー)は、粗目・細目・超細目の3種類を用意する
・深いひび割れは、自分でしない。靴の修理屋に相談することをおススメする。
・革を削るが、厚みに変化なし(個人的見解だが、耐久力が弱まるほどの影響はない)
・補色は、アドカラーではなく、靴クリームを色つきのクリームを使ったほうが元の風合いが残る(個人的見解・自己満足)
・ひび割れの修復は、銀面を削ってしまうため、銀面がまだはがれていない場合は、無理に行わないほうが良い。

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