このブログで、何度も登場しているレッドウィングのアイリッシュセッター875(犬刻印モデル)は、購入してから23年が経過しています。
仕事で履いているため、汚れも、ダメージも中々のものです。
今回はそんなアイリッシュセッターを丸洗いします。
こんな人に見てもらいたい
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ちなみに、結果を画像で先にお伝えします。
こうなりました。
![レッドウィング875 犬刻印 サドルソープ 丸洗い](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/サドルソープ前後.png)
丸洗いする前と、丸洗いした後の比較
丸洗いするブーツを紹介
まずは、今回丸洗いする875を簡単に紹介します。
アイリッシュセッター875(犬刻印モデル)
私が中学3年生の時に購入した初めてのレッドウィングです。23年が経過しました。
最近では、ずっと仕事で履いています。
劣悪な環境で放置したり、仕事でハードに履き倒したり、かなり酷使してきたブーツになります。
また、昔は今のようにインターネットで情報がすぐに手に入る時代ではなかったので、
雑誌や噂を頼りに色々な靴クリームやメンテナンス方法を試したブーツでもあります。
革の状態
革の状態はひび割れクラックが発生し、またひび割れた部分に黒い汚れが入り込み、モウブレイのステインリムーバーでは取れない状態になっています。
革も硬化しています。
数年前、濃い茶系の靴クリームで補色していた時期があり、そのときの色が現時点でも残っています。
カビ臭い匂いがします。
![レッドウィング オロイジナルレザー](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/05/DSC_2077-1-scaled-e1591408307109.jpg)
同じオロイジナルレザー。色が全然違う。汚れや経年変化による変色もあるが、数年前に濃茶の靴クリームで補色していた頃の色が残っている。
今までに行ったメンテナンスや、汚れ落としについて
今までに使用した靴クリーム一覧
- レッドウィング純正ミンクオイル
- レッドウィング純正靴クリーム(ニュートラル)
- マスタングペースト
- Mモウブレイ 靴クリーム(ニュートラル)
- ブートブラック 靴クリーム
- サフィールノワール クレム1925(ニュートラル・バーガンディ・ブラウン・ダークブラウン)
- タピール レーダーバルサム(ニュートラル・ブラウン)
- タピール レーダーフレーゲ
- コロニル シュプリームデラックス
- グリオスガレージ レザーリジュビネーター
![靴 ケア用品](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2321-scaled-e1591374536394.jpg)
今、手元にある靴クリーム 順不同
基本、無色のものを使用していますが、一時期、数種類の茶系の靴クリーム(サフィールノワールとタピール)で補色を楽しんでいました。
今までに使用した汚れ落とし
- レッドウィング純正リムーバー
- Mモウブレイ ステインリムーバー
- レクソル レザークリーナー
![](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2323-scaled-e1591374660825.jpg)
家にあった汚れ落とし
普段はモウブレイのステインリムーバーを使用しています。
※7~8年前にレクソルを使って、丸洗いを何度かしました。
当時の丸洗いは、冷水を使用し、濡らしてすぐに洗い流していました。
水を使い、濡らしてすぐに洗っても、そこまで汚れは落ちません。
しかも、色ムラになる可能性はあります。(7~8年前に丸洗いした際には、色ムラができました)
お湯で、しかも洗う前に、しばらく漬け込んでおくことをおススメします。
丸洗いの効果(メリットとデメリット)
メリット
- 普段の汚れ落としで、取り除けない汚れを落とす。
- 古いクリームやワックスを落とす
- 塩ふき状態を洗い落とす
- とれない臭いを除去。
デメリット
- 水を使うため、色ムラができる可能性がある。
- 洗った後の乾燥する過程で、革が硬化し、ひび割れが発生する可能性がある。(可能性は低い)
丸洗いの目的
今回の丸洗いの目的は、下の3つです。
- つま先部分の黒い汚れの除去
- 革のハリを取り戻す
- 匂いの改善
![レッドウィング875 犬刻印モデル](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2078-scaled-e1591514185912.jpg)
モックトウ部分の黒い汚れが目立つ。 革は硬化している。 かび臭い。
丸洗いに使用する道具
・Mモウブレイのサドルソープ
・100均のスポンジ(サドルソープ専用のスポンジがあります。しかし、100均で十分です)
・バケツ(大きめ)
・乳化性クリーム(私の場合、コロニルシュプリームデラックス)
・グリオスガレージ レザーリジュビーネーター
実践
お湯で洗う
まずは、お湯で洗います。取り除けていないホコリやチリなどもきれいに洗い流してやります。
お湯の設定温度は、45度でした。(風呂場のマックス高温度です)
必ず、お湯を使いましょう。
水よりお湯のほうが汚れ落としに効果的です。
全体を濡らして、洗い流してやります。それから1晩つけました。(お湯で)
![レッドウィング875 丸洗い サドルソープ](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/Snapshot_9-e1591409256402.png)
今から約7時間 お湯につける
約7時間後バケツの水が、すごいことになってました。
![](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/Snapshot_10-e1591409309463.png)
約7時間後。お湯(水)の色がどす黒くなった。
この時点で、汚れは結構落ちてます。(お湯によって、古いクリームの油分とロウ成分が分解しました)
かなり柔らかくなりました。
サドルソープで洗う
泡立てたサドルソープをスポンジに取ります。
泡立ててから優しくこすります。こするというより、なでる感じ。
どんどん泡が黒くなります。泡が黒くならないようになるまで、何度か繰り返して洗います。
泡は流さずにそのままでいいと書いてありましたが、汚れを落とす意味でも、全部洗い流しました。
乾かす
![レッドウィング875 犬刻印モデル](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/Snapshot_20.png)
洗いたての状態。今から陰干し。色がすごく落ちてるように見えるが、濡れているので、はっきりわからない。
日光の当たらない場所・風通しのいい場所に、陰干しします。
新聞紙をつっこんで、タオルでアッパー全体を一度拭き取ります。(早く乾かすためです)
新聞紙は何度か取り替えます。
革は濡れた状態から、乾いていく段階で硬くなります。
乾かす際に、シューツリーを突っ込んでおくと、型崩れを直すことができます。
シューツリーがない場合は、新聞紙をきつめに詰めて、形を整えてから乾かしてやると良いです。
乳化性クリームをぬる
半乾きの状態で乳化性クリームをぬります。しかし今回は用事があり、丸洗いしてすぐに外出しましたので、洗ってすぐに乳化性クリームを塗りました。(コロニルシュプリームデラックス)
調べると、半分くらい乾いてからクリームをぬるように書いています。
当然、濡れまくってるので、あまり浸透しません。
やはり、乳化性クリームをぬるのは、少し乾いてからの方がおすすめです。
朝一番に洗い、夜に帰宅すると乾いていました。(約8時間)
アッパーは乾いていましたが、中底はまだ乾いてない状態です。
乾いた状態がこちら
![レッドウィング875 犬刻印モデル](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/Snapshot_211.png)
右上の画像は、丸洗い前のもの
すごい色抜けしました。
廃棄寸前の靴みたい。
ロウ成分が丸洗いによって、完全に取り除かれています。ツヤはなく、かがやきません。
油分もなし。
革は硬くなっています。
カサカサのカチカチ。
ひび割れに入り込んだ汚れは、まだ残っています。
それでも靴磨き前よりは改善されました。
![レッドウィング875 犬刻印 丸洗い](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/Snapshot_23.png)
ひび割れに、黒い汚れが入り込んでいる。それでも丸洗い前と比べると、かなりキレイになった。
これから油分を補給していきます。
ちなみに、どんな靴クリームを使うかで仕上がりは変わってきます。
レザーの回復剤 グリオスガレージ レザーリジュビーネーターをぬる
乾ききった革の栄養補給は、グリオスガレージのレザーリジュビネーターを使用します。
レザーリジュビネーターは、革の回復剤と呼ばれ、高級車のレザーシートなどに使用することを目的として作られたジェルタイプのオイル?になります。
浸透力が抜群で、丸洗いの後の栄養補給に適しています。
ちなみに、丸洗い後、陰干しするまえに、すぐコロニルを塗りましたが、洗った後すぐだったのであまり浸透していません。
乾いた革の状態は、カサカサのカチカチです。
グリオスガレージのレザーリジュビネーターをぬっていきます。
グリオスガレージについては、革のひび割れの記事にて書いてますので、良ければご覧ください。
素手で、全体に伸ばしていきます。
![レッドウィング875 犬刻印モデル](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/Snapshot_29.png)
左がぬってすぐ。右がぬる前。塗った後は、色が濃くなるが、時間がたつと色は落ち着いてくる。
ぬった瞬間から一気にオイルが浸透していきます。カサカサのカチカチだった革が、柔らかくしっとりとしていきます。
1日、塗ったまま放置します。
![レッドウィング875 犬刻印モデル](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2265-scaled.jpg)
レザーリジュビネーターぬって1日放置後
1日放置すると、革はしっとりしていて、良い状態になりました。
写真ではわかりにくいですが、洗い立てより、少しだけ色が濃くなっています。
洗ってすぐの、カサカサの状態が怖かったので、念のためもう1度グリオスガレージのレザーリジュビネーターを使用しました。やはり、よく浸透します。(浸透しますが、2回目は必要ないです。1回で十分回復します。2回はやりすぎでした。)
最後にコロニルシュプリームデラックスをぬりました。(ツヤが全くなかったので、少し光らせたかったため)
しかし、グリオスガレージが十分すぎるほどに浸透しており、コロニルはあまり吸収されませんでした。(結局光らず)
![](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2260-scaled.jpg)
1日放置後、再度レザーリジュビネーターをぬり、コロニルをぬった状態
革は本来の色に戻り(色抜けがすごかった)、柔らかくもコシがあり、しっとりとした良い状態に戻りました。
丸洗い 結果報告
うれしい発見
うれしい発見がありました。
以前、革のひび割れだと認識していた多くが、実は古いクリームのロウ成分が表面に蓄積して、ロウが固まり割れているだけだと気づかされました。
![レッドウィング875 丸洗い サドルソープ](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/77777.png)
左 細かいヒビのようなものがある。丸洗いで除去された。
![レッドウィング875 丸洗い サドルソープ](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/177.png)
指でつまむと、細かいひび割れが発生していたが、これもロウが固まったもの。丸洗いで改善。
写真で確認 丸洗い ビフォーアフター
アフター画像は、丸洗い後に1度履いているので、少しコキズがついてます。
![レッドウィング875 アイリッシュセッター 犬刻印モデル 経年変化](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2079-scaled.jpg)
ビフォー
![レッドウィング875 犬刻印モデル アイリッシュセッター 丸洗い](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2311-scaled.jpg)
アフター
![レッドウィング875 犬刻印 アイリッシュセッター 丸洗い](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/02/PSX_20200207_105428-2-scaled-e1586182992754.jpg)
ビフォー
![アイリッシュセッター レッドウィング875 犬刻印 丸洗い](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2315-scaled.jpg)
アフター
![レッドウィング875 犬刻印 アイリッシュセッター](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/04/DSC_1820-scaled-e1588560137200.jpg)
ビフォー
![レッドウィング875 アイリッシュセッター 犬刻印](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2300-scaled.jpg)
アフター
![レッドウィング875 犬刻印 アイリッシュセッター](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/Snapshot_5.png)
ビフォー
![レッドウィング875 犬刻印 アイリッシュセッター](https://igarashiworks.com/wp-content/uploads/2020/06/DSC_2298-scaled-e1591520508345.jpg)
アフター
丸洗いの結果報告
・色抜けがすごいことになったが、革の状態は改善した。
・見た目よりも革の状態は悪くない(というか、まだまだガシガシ履ける)
・今まで蓄積された古いクリームやロウが、丸洗いによってリセットされた。
・匂いも改善された
・革も柔らかく、しなやかになり、履き心地もよくなった
まとめ
・丸洗いの前に、1晩お湯に漬け込むと、古いクリームやロウ成分が分解されやすい。
・お湯は、熱い方が良い。(熱湯ではなく、シャワーの最高温度でするといい)
・洗ってすぐにクリームを塗っても浸透しないので、半乾きの状態でぬると良い。
(完全に乾燥させてからクリームをぬるのでも遅くない気がする。革はひび割れないように思う。次回、試してみる。)
・サドルソープを泡立てて洗うのは、何度か繰り返し洗うと、より汚れが落ちる。
・水は天敵というが、古く固まったクリームやロウをそのままにしておくほうが良くない
・グリオスガレージのレザーリジュビーネーターは、すごく優秀。革に栄養が深く浸透する
・中底が完全に乾くには、数日を有する(途中雨が降ったこともあり、約3日かかった)
・天気のいい時期。湿気の少ない時期に丸洗いするのがおススメ
・今回は色ムラどころか、色ぬけがすごかったため、色ムラどころではなかった。
(以前、お湯ではなく水を使用し、さらに漬け込まずにすぐに丸洗いをした時は、色ムラができた。長い時間漬け込んだから色ムラができるわけではない。丸洗いする時点で、すぐに洗うのも漬け込むのも同じ。漬け込んだ方が汚れは落ちやすいので、漬け込むことをおすすめする。)
・相当履きこんだものについては、丸洗いによってかなり色落ちする場合がある。(普通に履いていると、これだけ色落ちはしないので安心してください)
今回は、想像していた以上に色抜け(というより、本来の姿)が激しかったです。
今度は、紙やすりでひび割れの修復と、補色記事を書きました。
よければご覧ください。
ありがとうございました。
コメント
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