日本で爆発的にレッドウィングが流行したのは、1990年代の中~後半。
当時、私は中学生だった。1982年生まれ。
西日本の、山奥。
きちんと、田舎。
私がレッドウィングを知ったのは、当時のファッション雑誌から。
1997年。私は中学3年生。
お年玉をかき集めて、レッドウィング875犬刻印モデルを買った。
今回は、ただの昔話。レッドウィングが爆発的に流行した1990年代を、当時中学生だった私の目線で振り返りたいと思う。
あまり大した話にはならない。
当時を知る人。もしくは気になる人は、ご覧ください。
※有益な情報は少なく、私個人の備忘録のようになっています。
1997年の時代背景
ウィンドウズが1995年に誕生。
1997年、まだネットは普及しておらず、田舎で生まれ育った私には雑誌やテレビの情報がすべてだった。
今回、この記事を書くにあたって、ネットで1997年を検索してみると、
懐かしいワードがたくさん出てきたので、紹介。
- たまごっち(どこにいっても売り切れ。価格高騰)
- ポケベル(携帯電話やPHSが若者に普及し始めていたが、田舎じゃまだポケベルのほうが利用者は多かった)
- コギャル(女子高生)
- 安室奈美恵がカリスマ(大好き)
- スマップの木村拓哉がカリスマ(ほんとかっこいい)
- サカキバラ事件(神戸の有名な事件。1997年2月に発生)
※ちなみに、カリスマという言葉は、1999年に流行語になる。1997年当時は、カリスマという言葉はあまり使われていなかったように思う。
ファッションについて
1997年を振り返る
- ヴィンテージのデニムなどの価格が高騰(95~97年に古着ブーム)
- アメカジ(デニム・スカジャン・レッドウィング・コンバースなど)が人気
- エアマックス95に代表されるハイテクスニーカーブームの人気が下火に
- 裏原系ブランドが全国的に認知されていく。(グッドイナフ・アンダーカバーなど)
- 藤原ヒロシがカリスマだった
私目線の1997年当時の時代背景
生まれ育ちは、西日本の山奥。
誰が見ても、ああ田舎だね、という所で育った。
そんな私目線で1997年を振り返ってみる。
私目線の1997年
- たまごっちが欲しいけど買えなかった
- ポケベルが欲しいけど買えなかった
- ルーズソックスを履いてる女の子が、無条件に好き
- 安室奈美恵と結婚したかった
- 暴走族よりチーマーが増えだしたが、田舎は圧倒的に暴走族が多く、また暴走族のほうが強かった
1997年というか1990年代後半は、世紀末だからか、世界の終末をあおるようなメディアが多かったように思う。
私が小学生のころから、テレビではノストラダムスの大予言の特番が定期的に放送されていた。
今では信じられないと思うがノストラダムスの大予言を信じていた人は本当にいた。
小学生のころ、私も信じていた。
夜、寝る前に世界の終焉が来ることに恐怖して泣いたことがある。ほんとに。
小学生当時、夕方に再放送されていた北斗の拳の舞台は199X年で、まさに1990年代だったし、
ドラゴンヘッドのような世界が崩壊したような設定のマンガも多かったように思う。
残酷な事件も多かったし、不安をあおるような報道が多かった。
バブルがはじけ、不景気で、みんなが不安を心に抱いていたのだろう。
今思えば、そういう時代だった。
だからどうしたってわけでもないが…。私の思春期の思い出。
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1997年。
インターネットは普及しておらず、今ほど情報を簡単に入手することはできなかった時代。
田舎育ちの私にとってファッションは、ファッション雑誌から情報の情報がすべてだった。
当時、私たちの間では、ゲットオン、ブーンという雑誌が人気で、。
雑誌の最初から最後まで、全ての情報に目を通した。
当時の私たちが思う「カッコいい」とは、雑誌に書いてあることがすべてだったように思う。
例えば、ヴィンテージのリーバイスを履いてるだけで、その人はオシャレだ、ということになる。
着こなしがカッコいいのではなく、何を着ているか、それがカッコいいに直結した。
ある意味で、楽な時代だったと思う。
現代と比べて、情報量が圧倒的に少なかったため、全員が右向け右をしていた。
街には同じような格好の若者が多かったように思う(単に、幼い私は同じような格好の人しか見ていなかっただけかもしれない)
以下、中学3年生の私たちの間で欲しかったもの。
- ヴィンテージのジーパン
- ヴィンテージは買えないから、レプリカジーンズ(シュガーケーンなど)
- レプリカも人気で売り切れが多かったので、現行のリーバイス501
- MA-1
- ダッフルコート
- カウチンニット
- ヴィンテージのスウェット
- コンバース
- ヴァンズのスリッポン
- レッドウィング
- キムタクが着てるものすべて
- ダウンタウンの浜ちゃんが着てるものすべて
こんな感じで欲しいものがたくさんあった。
欲しいものは多かったが、金はない。
当然だ。
中学生だもの。
裕福な家庭の生まれでもない。
金はない。
だから、どれか1つに狙いを絞るしかなかった。
大半の友人はレプリカジーンズに狙いを絞り(シュガーケーンが人気だった)、
金があるやつはいくつかのアイテムを購入していた。
私は、レッドウィングを買った。
レッドウィングの熱狂
後から調べた情報だが、レッドウィングの火付け役は藤原ヒロシらしい。
1995年、藤原ヒロシが、今では主流の黒のアイリッシュセッターに白のソールを履いていて、
(当時黒のセッターは黒のビブラムソールのみだった)それが爆発的な人気となった模様。
当時の私は知る由もない。
その後、スマップの木村拓哉・ダウンタウンの浜ちゃんたちがレッドウィングを履いている姿がテレビに映る。
さらにはアメカジブーム・ヴィンテージブームに乗っかって、一気に一時代を築き上げた。
当時人気だったのはアイリッシュセッターの中でも
- 半円犬タグモデル(赤茶)
- ブラック(藤原ヒロシが履いていた)
- ラフアウト
この3つが大人気だった。
https://forzastyle.com/articles/-/51650
私目線のレッドウィング
私がファッションに興味を持ったのは1996年。
レッドウィングに興味を持ったのは1997年の秋。
世間ではレッドウィングブームが少し下火になり始めたたころだ。
1998年、1月にお年玉を全額突っ込んで、通販でレッドウィング875犬刻印モデルを購入した。
確か、35000円ぐらい。(数年後、レッドウィングは定価26000円ぐらいで購入できるようになる。当時は現行モデルでも値段は上がっていた)
赤茶の半円犬タグモデルが人気だったが、私個人としては、犬刻印モデルが1番カッコいいと思っていた。
今でもそう思う。
初めて購入したブーツだけあって、犬刻印モデルはかなり愛着が湧いている。
だからか、20年以上経った今でも、1番好きな靴のカラー(スニーカー含む)は、黒でも白でもなく、オロイジナルのような茶色だ。
半円犬タグと犬刻印モデルの関係
半円犬タグとは、1992年~1996年に製造されたモデル。いわゆる赤茶のセッターのこと。
https://forzastyle.com/articles/-/51650
現在の8875が誕生するきっかけになったブーツでもある。
犬刻印モデルとは、1996年~1997年に製造されたモデル。
875(アイリッシュセッター)が徐々に赤くなってきていて、1950年ごろのオリジナルモデルから、色が随分変わってしまっていた。
そこで再度、1950年当時の色に近づけるために、犬刻印モデル(オロイジナル)が誕生した。
赤くなりすぎた半円犬タグモデルを、アイリッシュセッターのオリジナルカラーに戻すために、
後継モデルとして犬刻印モデルが生まれた。
しかし、当時の日本では赤茶の半円犬タグが大人気。
新しく誕生した犬刻印モデルはとても不評だったようだ。
そのためか、犬刻印モデルの製造期間は1996年~1997年にかけての1年間。とても短い期間である。
半円犬タグが廃盤になった以降も、赤茶モデルが欲しいという声は多く、8875モデル(オロラセット)が誕生することになる。
初めて履いたレッドウィング
23年以上前のことだが、レッドウィングを通販で購入し、手元に届いた時のことは今でもよく覚えている。
- 箱を開けた時の、革の匂い。
- 分厚くてヌメっとした革の感触。
- 憧れを自分のものにしたことの優越感。
とにかく、うれしかった。
ヒモを通す時間さえもったいなく思え、すぐに足を入れた。
硬い。意味わからんぐらいに硬い。
木かと思った。
靴として、この硬さで成り立つのか、ちょっと意味不明。
とにかく履く。
意味も分からず、雑誌に書いてあることを参考にミンクオイルで手入れ。
中学校は、玄関で上履きに履き替えなきゃいけなかったけど、関係なくレッドウィングを履いていった。
おかげで着脱にもたついて、何度も遅刻しそうになった。
1か月か、2ヵ月か、知らない間に足に馴染み、履き初めの【木】のイメージは消えていた。
ある休日、重たいコンクリートブロックを落としてしまう。
足にダメージはなかったが、ブーツに大きなキズがついた。
当時、あまりショックじゃなかった。
これも思い出だ、そう思うと、逆にうれしくさえもあった。いまだにそのキズは残っている。
レッドウィングを購入してから、約1年間、アホほど履いた。
1年後には、飽きて履かなくなった。
高校生の僕の周りはスケーターブーム到来で、DCを履いてスケボーかBMXに乗るやつらであふれた。
僕も周りと同じようにスケートシューズを履いた。
月日は流れ、僕が24歳になる年。実家に帰ったときにたまたま、倉庫の中からカビだらけのレッドウィングを発見する。
かっこいいやん。
そして、僕はもうすぐ39歳になる。あれから定期的にずっと履いている。
レッドウィングの魅力は、タフで長年履けること。
長く愛用できるからこそ、人それぞれのストーリーが生まれ、その1足に値段では測れないような価値が生まれる。
僕にとっての875犬刻印モデルも、値段では測れない価値がある。
貴重な思春期と、ここでは書いていないが、20代~30代後半、僕の半生をずっと支え続けてきたのだ。
それだけのストーリーが詰まっている。見た目がぼろくなったが、僕にとっては宝石である。
90年代、レッドウィングにハマった世代は、今、アラフォーになる。
青春時代をなつかしみ、今、再びレッドウィングに夢中になっている人も多いのではないでしょうか。
以上、長い長い世間話でした。
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